WEEKLY INSIDE STORY
第753号 いざ本番では?
今年の防災訓練から
2021年09月10日
この9月5日に、恒例の石川県防災総合訓練が、能登穴水町で開催されました。
能登半島沖で、震度6強の地震が発生したとの想定で、自衛隊や消防・警察など様々な団体から約800人が参加して、例年のごとく倒木等緊急撤去訓練や、津波避難訓練などが行われました。
会場は、穴水湾のすぐ隣にあるあすなろ広場というところを中心におこなわれましたが、ここは海抜わずかの所であります。
従って、いざ地震が発生した折には、津波に飲み込まれる地域であり、このような大規模な部隊が一堂に会することはほぼ不可能なエリアではないかと思われます。
訓練だからとはいえ、より実践に近い状態を想定してこそ意味があるのではと思ったものです。
また、コロナ禍における避難所訓練では、体育館を利用し、発熱患者とそうでない人を選別し、部屋を割り当てることをしておりましたが、これまた海抜2メートル未満のところに立地しており、いざというときにはこの体育館そのものがその役割を果たせるのか疑問であります。
いろいろな意味で、訓練に向いている所が選ばれていますが、いざというときには、寧ろ環境が整っていない中で、どう連携し、どう施設をやりくりするのかとの知恵が求められているのではないでしょうか。
例えば狭い公民館でどうコロナ対策をするとか、短時間で判断しなくてはならないことが多いのが、災害そのものの実態ではないでしょうか。
通り一遍の訓練よりも、本当の意味でいざというときを想定した訓練がより期待されているのではと、視察をしながら感じたものでした。